親などが会社などを経営していた場合は、家業を継ぐかどうかという話は多くの方が経験すると思います。サラリーマンを初めて軌道に乗り始めた矢先に、このような話が出てきた場合は、実際に家業を継ぐことを想定すると多くの不安が出てきます。この記事ではそのような場合に備えて家業を継ぐタイミングやメリット、デメリットなどを紹介していきます
目次
家業を継ぐタイミング・きっかけとは
家業を継ぐタイミングはどのような時に起こり、そしてきっかけがあるのでしょうか。
親の引退
まず、最初に親の引退が考えられます。引退理由は年齢によるものや体調の問題など理由は様々。このような場合、子どもが事業の経験や知識だけでなくマネジメント力などが十分に備わっていない場合、経営に大きな影響が生じる可能性があります。
引退する時期がほぼ決まっている場合は、その期間に子どもに対して経営面のことなど多くの事を教えることが重要になります。しかし、何らかの理由で急遽家業を継ぐ必要が出てくる場合も考えられ、そのような場合に備えできるだけ早い時期に事業に必要な知識、経験などを積んでおくことが必要になってきます。
相続発生時
親の死によって会社の経営権、資産などを子どもが相続するケースです。
親が亡くなる前に生前相続などをおこなっている場合はまだトラブルは少ない場合もありますが、急死などで突発的に起こった場合では、相続税の問題をはじめ、遺産相続を巡り親族間でトラブルに発展し複雑な問題に発展してしまう可能性も十分考えられます。そのため、子どもは日頃から親の体調面だけでなく、親族との関係に対しても配慮していかなければなりません。
決意によるもの
親の中には、子供に苦労させたくないとの理由であえて家業を継がせたくないと考える人もいます。しかし、小さい頃から親の背中を見て育ってきたので、子供自らが家業を継ぐことを決意することも考えられます。その場合は事業の現状説明や覚悟の有無を再確認するなどをしてミスマッチをなくす行動が必要になります。
昔からの約束
家業を継ぐことを、かなり前から約束している場合もあります。将来は子どもを社長にするため小さいときから様々な習い事をさせるようなケースもそれに近いかと思います。わかりやすい例が、大学卒業後の数年間は修業としてほかの会社で働いて、社会人としてのスキルが身についた場合や、〇〇歳になったら家業を継ぐといった約束をしているケースです。この場合、約束した時期に家業を継ぐことになります。そのため、物心をついた時から約束をしている場合などでは子どもとしても家業を継ぐことが普通と考えていることがあるため、比較的スムーズに引き継ぎが可能になることが考えられます。
家業を継ぐメリット 4選
家業を継ぐ場合、会社員ではあまり考えられなかったメリットも存在します。そのメリットを紹介します。
既存客の存在
親もしくはそれ以前より受け継いだ既存顧客がすでにあるため、ゼロから会社を立ち上げるよりもリスクが少ないことが挙げられます。先代から付き合いのある固定客がある場合は、会社経営をしていく上で大きなプラス材料です。親の急死などでの理由で家業を継いだ場合を除き、技術や会社経営のイロハなど学ぶこともでき相談もできることも大きなメリットです。
裁量権の大きさ
裁量権の大きさはサラリーマン時と比べるとはるかに異なります。会社に関する最終判断は自分で決めることになる一方でその分責任も増えてしまうことになります。
今後の会社の方針も最終的に決めるのももちろん自分です。家業を継いでも、絶対に今ある事業を続ける必要はなく、自分の意見を強引に通して全く違う事業に参入することも可能です。もちろん、今までの事業を残しつつ、新事業を開始することも可能なため、自分のやりたい事業にかじを取ることも可能です。また、サラリーマンのように勤務時間や勤務場所の拘束もありません。
人脈が広がる
今まで勤務していた会社と異なる業種の場合などは、今までとは違うタイプの人たちとの人脈形成が可能です。また、経営者同士で集まる会合にも参加できるのでそこででも人脈が形成できます。また、先輩社長からは学ばせてもらうことも多くあるため、人間としての成長も出来ます。
定年が無い
現代社会では、かなりの高齢である現役の経営者も多くなりました。サラリーマンの場合、定年は避けては通れない道であることが多いですが、自分が経営している場合は、定年退職は関係ありません。引退するかどうかは自分自身で決定することです。
健康で仕事に支障がない限り、仕事を続けることができるのは経営者や自営業だけの特権です。
家業を継ぐデメリット 3選
家業を継ぐ場合メリットばかりがあるわけではありません。続いてデメリットを紹介していきます。
サラリーマンより不安定
サラリーマンの場合は毎月決まった収入は入ってきました。しかし経営者になれば、利益が出るかどうかは自分の裁量が大きいです。手腕次第で会社業績がアップすることもあれば、当然ダウンすることもあります。業績が悪い場合自らの役員報酬も削減する必要があります。安定の面で考えると、サラリーマンより不安定になる可能性があります。
従業員との関係に悩まされる
これまで特に悩むことがなかった従業員との関係が悪化することが考えられます。
たとえば、古株の従業員から嫌がらせを受けたり、他の従業員から「所詮コネ」「親は有能だが子は無能」などと皮肉や陰で悪口を言われたりする可能性が考えられます。
その場合も決して言い返すことなどせずに、従業員とは良好な人間関係を構築していくことが大切です。
後戻りできない
後継者は、家業を継ぐと決めた場合には後戻りができないということに悩まされます。もちろん転職が出来ないわけではないですが、かなりの覚悟を要します。家業を継ぐとなると、もちろんその家業の継続をしなければなりません。サラリーマンのように、自分自身の都合のみで会社を辞めることは許されません。家業を継ぐ場合、順調なサラリーマン人生から場合によれば波乱万丈な人生が待っていることも考えられるため、現在の安定を捨ててまで家業を継ぐかどうか、悩むのは当然の事です。
後継者として何をすべきか?3つのポイント
家業を継ぐと決意した場合何をすべきなのでしょうか?ここでは3つのポイントを紹介していきます。
事業継承ポイント1 経営状態の把握
まずは現在の会社業績を現経営者と後継者がきっちりと把握することが大切です。現状を分析して改善が必要なところがあれば、家業を継ぐ前に具体的な事業改善策や今後の経営計画を作成し検討する必要があります。そして作成した経営計画書を基に、将来を見据えた事業計画について詳細に練る必要があります。また、経営指標だけではなく既存の会社役員ともコミュニケーションを取ることは、承継後の事業をスムーズに行うために必要不可欠です。
事業継承ポイント2 経営者としてのスキルを付ける
家業を継ぐ場合経営スキルは必須です。会社の将来性を予想する能力だけでなく、財務やマーケティング、労務などの知識はもちろんそれらに関する法律などあらゆる知識や経験などが必要になります。またリーダーシップも必要なスキルです。いくら経営力が優秀であってもワンマンであった場合、従業員は反発し付いていかなくなり組織として成り立たなくなります。
事業継承ポイント3 事業の拡大を考える必要がある
昨今は、経営環境の変化は目まぐるしく変化しています。そのため、現状維持の経営を続けることは難しく、従来の考えに固執するあまり業績が悪化してしまう恐れがあります。そのため、新商品開発や経営方針の転換、新規事業立ち上げなどを常に考え時代にあった事業展開や事業拡大を行うことが大事になります。
まとめ
今回は家業を継ぐタイミングやメリット・デメリットなどを紹介しました。最近は後継者不足が社会問題になりつつあります。この問題は確かに難しい問題のため、当事者同士でよく話し合い、それぞれのメリットやデメリットを理解して、お互いにベストな選択できるようことが大切です。
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