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2021.08.06 投資・資産運用コラム

【勝手にお悩み相談室】一億円の利子はいくらですか?利息だけで生活できますか?

ここでは、ネット上に転がっている様々な「お悩み・お困りごと」を証券会社出身で現役IFA(プライベート・バンカー)の杉山が独自視点で【勝手】に相談に乗って、【勝手】に回答していきます!

杉山のプロフィールについてはこちら

2023年1月19日 更新

【質問】1億円の利子はいくらですか?利息だけで生活できますか?

杉山の答えとしては・・・

【質問】

1億円の利子はいくらですか?銀行に預けると、300万円くらいの利息がもらえるなら、それだけで生活できる、とよく聞きます。実際、1億円あれば年間いくらくらいの利息が入ってくるのでしょうか?

1億円ほどの大金があれば仕事をせずとも、十分生活できそうですよね。
利息だけで生活できれば、仕事をやめてしまっても問題ないです。
ノルマのプレッシャーから開放されるし、上司や部下との人間関係に悩まされることもない。
ついで乗車率200%の超満員電車での通勤もしなくて済みます。もう最高です。

ただ、現在の日本の金利では1億円を銀行にあずけてもほとんど利息はつきません。

「え? 1億円もの大金を銀行に預けているのに利息がもらえない?!」
と、思うかもしれません。何ならカチンと頭にきている方もいることでしょう。

そうなんです。1億、銀行にあずけても利息はわずかな額しかもらえません。

今の日本では銀行の定期預金金利が0.002%程度です。(みずほ銀行 2021/08/06)
参考:みずほ銀行 普通預金&定期預金の金利

定期預金じゃなくて普通預金の金利はもっと低くて、0.001%です。

※ここでちょっと補足します※
2023年1月時点では、日銀の金融政策に変化が出てきおり、日本の長期金利が0.5%まで上昇しています。メガバンクを中心に住宅ローン金利を引き上げる動きも出てきており、今後の動向に注意が必要です。

1億円を銀行にあずけて1年間にもらえる利息額

仮に1億円を銀行に1年間預けると

もらえる利息はズバリ、1,000円! ・・・・・ ではないんですね。

わずかな利息にも税金がかかるので手取り額はだいたい800円くらいです。

銀行に1億円あずけて、もらえる利息が1年に800円です。

うーん、小学生の小遣いレベルですねぇ。

「こんな僅かな利息しか出さずに、さらに税金まで取るの?! 信じられない!」と思うかもしれません。

いやぁ、信じられないですよね。でもこれ本当の話なんです。

1000億円を銀行に預けてやっと、1年間で100万円ほどの利息が入ってきます。
そんなレベルの低金利なんです、日本は。ZOZO創業者の前澤友作氏でもない限り個人で1000億円もの
お金を持っている人はそうそういません。

つまり、一般人が銀行預金の利息だけで生活することは不可能だと言えます。

銀行の金利はいつまで低いままか?いつになったら上がるのか?

では日本の金利はいつになったら上昇するのか?

銀行に預けたら年率2%か、3%ぐらいは利息がもらえたら・・・と誰もが思いますよね。

2%~3%ほどの金利があれば、1億円を銀行に預ければ年間200万円~300万円の利息が入ってきます。
これなら十分、銀行の利息だけで生活できちゃいますよね。

ですが、結論を言うと、「当面、そんな日(金利が高くなる日)が来ることはありません。」

当面ってどれくらいか?

少なくとも10年~20年ぐらいは超低金利のままでしょう。

ーーーーーーーーー以下、余談ーーーーーーーーーーーーーーー
金利が低いままなのは政府&日銀の財政・金融政策の影響です。

政府と日銀の財政金融政策を超シンプルに説明すると、
「国内景気が誰がどう見たって、良くなるまでは、お金をどんどん刷って、バラマキます。カネ回りをよくするために金利はほぼゼロにします。なんならマイナスにします」ということを政府と日銀は両輪でやっているはず、なんですが、消費税率を上げちゃったりで足踏み状態です。

消費税率を上げちゃったもんだから、景気が良くなるどころか、物価が上がるどころか、
物価下落圧力が強くなってしまった。なので当面、金利は現状のままだろう、ということです。

ーーーーーーーーーここまでーーーーーーーーーーーーーーーーー

低金利の時代、資産の増やし方 5選

では、超低金利の日本で、どうやったら資産を増やすことが出来るでしょうか?
資産の増やし方は大きく分けて3つです。

①働いて沢山稼ぐ

低金利時代にお金を増やす方法①

あなたが資産家一族の御曹司・ご令嬢でもなければ、自分の資産は自分で稼がねばなりません。
まずは年収を上げることを考えましょう。
あるいは副業を行って収入を増やしましょう。

どっちもスグに、簡単に出来ることではありませんが、資産を増やすには必須です。
長期視点でじっくり地に足つけてスキルアップを図りましょう。

②節約する

低金利時代にお金を増やす方法②

すぐに年収をあげたり、副業で稼ぐのは大変です。
手っ取り早く手取りの収入を増やすには支出を削減することです。

注意点として以前のコラム(毎月貯金ができない、どうすれば?)でも言いましたが、

「電気をこまめに消す」などの、一ヶ月にせいぜい数百円程度しか支出削減にならない事に必死になってはいけません。

家賃、通信費(携帯代)、交際費、保険料などの大きな支出を見直しましょう。

とはいえ、節約にも限界がありますので、切り詰めすぎないようにしましょう。

③資産運用する

低金利時代にお金を増やす方法③

銀行では資産を増やすことはできませんので、投資を始めることを検討してみるといいでしょう。

投資といってもFXとかデイトレではありません。むしろFXやデイトレを投資初心者はやらないほうがいいです。
FXやデイトレで安定して勝てるのは超・上級者か専業トレーダーの人たちです。何ならセンスも必要でしょう。投資を覚えたの人が、「ちょっと小遣い稼ぎになれば・・・」なんて考えで勝てる世界ではありません。

また、ツイッター、YoutubeなどのSNSで、下記のような情報を発信しているアカウント、よく見ますよね。

  • 株で億を稼いだ
  • 稼ぎ方教えます
  • 10倍になる銘柄教えます
  • この株買っとけば大丈夫、黙って買っとけ
  • 誰でも簡単にすぐに儲かる方法教えます
  • すぐに稼げる副業教えます

あえて断言します。詐欺です。

もしくは、合法だけど悪質なボッタクリ情報商材です。

これに関しては言い切っちゃいます、ここは断定的判断をしちゃいますよ、私は。
くれぐれもご注意下さい。

投資の知識や経験が少ない、あるいは全く無い人はまず積立NISAかイデコを始めてください。
下記リンクを参考にしてください。
NISAか積立NISA、どっちがお得ですか?どっちを続けるべきですか?

積立NISAやイデコは投資に慣れるには最適ですし、10人いれば10人とも資産を増やせるであろう手段です。
※補足※
NISA制度は2023年以降、法改正される予定です。非課税枠の増加や投資期間の恒久化を前提に検討が進められています。詳細がわかりましたら解説をします。※補足ここまで※

iDeCoには個人で加入するタイプと法人で加入するタイプの2種類がありますが、

法人で加入するiDeCo(企業型DC)のほうが税制優遇が強烈にあります。企業型DCを導入済みの会社で働いている人は企業型DCを利用するほうがいいです。

企業型DCの詳細を知りたい方は下記の記事をお読みください(社長・人事労務担当者向けの内容です)。
【網羅】企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の解説

④まとまった資産を持っている人がやるべきこと

低金利時代にお金を増やす方法④

まとまった資産を持っている人は積立NISAやイデコだけでは効率よく運用はできません。
まとまった資産を持っている人がやるべき投資とはどんなものでしょうか?

「年30%~40%のリターンを狙って、ガンガン増やしていく!」・・・なんてことは完全にNGです。

◆まとまった資産を年率3%~5%ほどで運用すべし◆

結論としては、まとまった資産を持つ人は「リスクを抑えて年3%~5%程度のリターン」を獲得する運用を目指しましょう。例えば・・・

  • 配当株(配当利回り3~5%の銘柄)
    年3~4%ほどの配当を出す日本の優良企業はゴロゴロあります。高配当の米国株と日本株を組み合わせて二ヶ月に1回、配当金が入ってくるような運用もできます。もちろん、株ですから元本の変動は必ずあります。
  • 外債(ドル建ての劣後債など)
    世界的に低金利ですからドル建て債券の利回りも低くなってしまっていますが、
    ドル建て劣後債でしたら若干マシです。
  • 投資信託(分配を出さないもの)
    定期的に配当金収入があれば嬉しいのは間違いないですが、配当金を多めに出す金融商品は価格上昇についてはマイルドです。要はあまり元本が増えません。ですから、分配はないけども、じっくり元本を増やしていく運用も必要です。

このように【株・債券・投信】などを組み合わせて運用しましょう。

ーーーーーー余談・分散投資しているようで出来ていない話ーーーーーーーーーー

世界的な金融緩和の影響で、昨今、分散効果が薄れています。
株・債券・REIT(不動産)・日本円・米ドル・ユーロ
などなど、各種リスク資産に分散投資を行っても暴落時・急落時は全部、まとめて下がってしまっています。

つまり株も債券もREITも為替も、
「相場が良いときは同時に上がって、相場が悪いときは同時に下がっている」
ということです。

暴落時に下がらない商品としては、日本国債や国内債券などが挙げられますが、
金利が低すぎてタンス預金と何も変わらんという状況です。

今の所、「金」が唯一、株やREITと逆の動きをしています。商品の組み合わせの1つとして検討すべきだといえます。

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【番外編】まとまった資産を持っている人がやっちゃいけない商品 コレNG!

  • 債券でも仕組債は、ちょっと待って
    パッとみ、利率が高いし?円建てだし?
    魅力的に映るかもしれません。しかし本当にその仕組債の商品構造を理解していますか?
    仕組債はハイリスク・ローリターンに設計されている場合が多分にあります。すべての仕組債が悪ではありませんが仕組債のリスクを理解していないなら、避けるべきです。

 

  • 外債でも新興国通過は、ちょっと待って
    トルコリラ建て、南アフリカ・ランド建てなど日本円や米ドル建てと比較して随分利回りの商品があります。こういった商品は為替の変動や為替手数料がスンゴイ事になっています。リスクとコストを理解していないなら、ちょっと待ってください。きちんと理解してから買いましょう。理解したうえで投資するならば何の問題もありません。です、ハイ。

 

  • 保険で資産運用?効率悪すぎない?
    本来、万が一の保障が目的である保険で資産運用をすることができます。今では米ドルや豪ドルで運用する
    保険商品なら割りと利回りが良かったりします。しかし、はっきり言って保険で資産運用はオススメできません。普通の人には分かりにくいのですが手数料率が高い場合が多く、短期間で解約すると元本割れする可能性がとても高くなります。わざわざ外貨建保険で資産運用をするよりも、私ならば外貨預金、シンプルな外貨建て債券を購入します。

⑤あえて何もしない

お金を増やす方法⑤番目は【投資しない】という選択肢です。
というのも高年収で、退職金もがっぽり、ついでに企業年金も沢山ある、なんて人は一定数います。
つまり定年退職時に十分お金がある、という人、ですね。

「年金もたっぷりもらえるし、貯蓄も潤沢!」なんていう人はあえて投資をしなくても良いのです。
逆に、投資に手を出して資産を30%減らした、50%減らしたなんて話はゴロゴロあります。

「よくわからないまま、とりあえず銀行や証券会社の言うとおりにしてみよう」なんて事は

くれぐれも、絶対に避けてください。

この他に、投資初級者の方向けに初級者が実践すべき投資についてnoteにまとめました。
【プロが解説】初級者が最短で正しい資産運用のレールに乗って走り出す方法

「何をすべきか、何をやったらダメなのか、買ってはいけない商品」など役に立つ内容です。
上記noteを読めば誰もが経験する手痛い失敗をしなくてむ済むようになると思います。
有料記事ですがよろしければ参考にしてください。

投資の神様「ウォーレン・バフェット」が語る投資の極意

ウォーレン・バフェットが残した名言は多数あるのですが、最も有名かつシンプルな投資ルールがあります。

◆ルール①、損をしないこと。

◆ルール②、ルール①を忘れるな

字面どおり、「絶対損をするな!」とバフェットは言っているわけではありません。
バフェットでさえ、投資に失敗して損失を出すことはあります。

この名言の意味することは何でしょうか?

ズバリ、

投資をするうえで一番大事なことは「儲けること」ではない。
投資をするうえで一番大事なことは「リスクを管理」することである。

資産運用をするときは、リスク資産にお金を置きます。
そのリスクとリターンのバランスを間違えるなということをバフェットは言っているのです。

1年で3倍になるかもしれないけど、半値になる可能性が五分五分の金融商品A

他方で、

1年で3%のリターンが見込めるが、元本割れするリスクは非常に低い金融商品B

どちらの金融商品に投資すべきでしょうか?

答えはシンプル。

長期で安定して資産を増やしていくには金融商品Bが最適なのです。

投資は博打ではありません。
「一昨年はボロ儲けしたけど、今年は大損した。」なんてことを繰り返すのは運に任せた博打です

投資の肝はリスク管理です。沢山儲けることは二の次、三の次です。
1にリスク管理、2にリスク管理、3,4も、5も6も、7も、リスク管理が重要です。

執筆者 杉山広
IFA、企業年金コンサルタント
杉山綜合財務管理株式会社 代表取締役

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結婚したら家計は妻が管理すべきですか?

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