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2022.09.26 法人向け

値上げに応じない取引先への対処方法

中小企業の経営者にとって頭が痛い問題の一つに、取引先との値上げ交渉が挙げられます。

自社の製品を買ってもらっている取引先は自社よりも大規模であることが多く、
「値上げを交渉すると今後取引してもらえなくなるかも・・・」と躊躇してしまうこともあります。

原材料費の高騰が原因の正当な値上げを放置しておくと、経営環境の悪化を招くことになりかねません。
本記事では中小企業からみた価格交渉の必要性や交渉すべきタイミング、コツなどについて解説しています。

価格交渉の必要性

多くの中小企業は何らかの物を仕入れ、自社の付加価値を上乗せしたうえで取引先へ出荷しています。

特殊な技術を持っている
他社よりも圧倒的な価格競争力がある
他社よりブランド力がある

このような企業であれば販売する側が価格決定の主導権を握れますが、実際は難しいものです。

価格交渉を必要な際にしっかりと行うことで、自社の経営を安定させることができます。

適正な企業運営のため

適正な企業運営をしていくために、価格交渉は必要となります。

企業が発展していくためには、利益を継続して産み出していく必要があります。
いつも取引先の希望値で販売していると、ほとんど利益が出ないという事態に陥ってしまうかもしれません。

過度なコストカットにより品質の低下を許せば、会社の信用を失うことにもつながります。

社内外で良いスパイラルを回せる

価格交渉をきっかけに、良いスパイラルを回せるようになることがあります。

例えば社内おいては、価格交渉の結果値上げが成立し、利益が正常となることで社員の給与に反映できたり、新たな事業を展開することにつながったりします。

また、交渉した取引先とも、交渉をきっかけにお互いの悩みや状況を共有し、協力体制が強固となるといったように、関係が良化する場合もあります。

価格交渉をすべきタイミング

続いて、価格交渉をすべきタイミングについて解説していきます。

原材料費が高騰したとき

帝国データバンクが公表している「企業の価格転嫁の動向調査(2021 年 12 月)」によると、原材料費など仕入単価は企業の 64.2%で前年同月と比べ上昇しています。

出典:帝国データバンク「企業の価格転嫁の動向調査(2021 年 12 月)」

原材料費が高騰しているにも関わらず、販売価格が同じだと、企業努力で他の経費を抑えられていない場合には単純に利益が減ります。

原材料費が高騰している場合、価格交渉を検討すべきといえるでしょう。

要求数に答えられない時

複数の取引先から多くの要求が来て、要求数に答えられない場合、価格交渉を検討すべきです。

要求数が今後さらに増え、自社のキャパシティを完全に超えてしまうと、さらに要求数に答えられず培った信用を失ってしまうかもしれません。

要求数に答えられなくなってきた際には値上げを交渉し適正な販売数を保ちつつ、利益の最大化を狙いましょう。

製品・サービスの質が上がった時

提供する製品やサービスの質が上がった際には値上げを交渉すべきです。

提供するものに対する対価として、取引先からお金を受け取ります。
相手に渡す製品やサービスのレベルを上げることができれば、価格交渉をすることは自然です。

この場合、品質の向上が取引先の利益につながるようなものでなければなりません。便利な機能が追加された、より品質が良くなった、デザイン性が上がったなどの付加価値を根拠に、価格交渉をしていきましょう。

値上げ交渉のコツ

自社の強みをアピールする

まずは、値上げもやむを得ないと言える、自社ならではの強みをアピールしましょう。

例えば、値上げをしたとしても他社よりも安い、市場価値が高い、多機能である、オリジナルであるといったように、自社ならではの付加価値を伝えます。

市場の動向を見極める

自社の商品やサービスの良さを伝えるとともに、市場の動向を見極める必要があります。

いかに魅力的な商品だったとしても、市場から求められないと意味がないためです。
反対に、世間一般的に需要が急上昇しているような場合は、積極的にアピールすべきでしょう。

また、例えば原材料費が世界的に上がっているといった環境もあれば、交渉の材料になります。

値上げを言われた取引先も、「今はニュースでも常に物価上昇といわれているから、しょうがないか」という考えに至ることもあります。

値上げ理由を正しく説明する

値上げ理由については、取引先に正しく説明するようにしましょう。

今後も継続して良好な関係を築いていくためには値上げ理由を説明し、理解してもらう必要があります。
競合他社含め費用を数値化して値上げの根拠を見える化し、
やむを得ない事情であることを理解してもらい、単に自社の利益を追求しているだけでないということを示しましょう。

普段から良好な関係を築いておく

値上げが成功するかどうかは、普段の関係性も影響してきます。
取引先からしても、あまり普段情報交換をしていない中、急に値上げを要求されると驚いてしまい、対応に困る場合もあります。

取引先と普段から密にコミュニケーションをとり、この値上げがどう影響を与えるのか、果たして受け入れてもらえるのかといった点について、値上げを申し出る前に検討すべきです。

普段からの行動に加え、値上げについても誠心誠意対応することで、相手も値上げを受け入れやすくなるでしょう。

交渉しても値上げに応じない取引先はどうすべき?

どれだけ値上げの交渉をしても、了解をしてくれない場合もあるでしょう。

売れば売るほど赤字になるような場合に、どう対応すればよいのか解説します。

折衷案や代替案を模索する

なかなか値上げ交渉が進まない場合、折衷案や代替案を模索することも一つの手段です。

0か100かではなく、50くらいで折り合いをつけることで、お互いにとっての最大公約数を探していきましょう。

自社だけを見ると決して最善策ではないかもしれませんが、
どちらかの要望だけが採用されるわけではないので、効果を生むことができます。

新規取引先を探す

どれだけ交渉しても拉致があかず、このままだと赤字が進んでしまうような場合、思い切って取引を止め、新規取引先を探すことも一つの手段です。

その場合、自社に与える影響をあらゆる角度で十分に精査しましょう。

 

以上となります。

価格交渉は時には会社の存続のために必要となります。

中小企業から主要な取引先へ値上げを要求することは簡単なことではありません。
市場の状態を正しく認識し、自社の強みをうまく訴求する必要があります。

 

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