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2022.06.08 法人向け

会社と従業員の間で秘密保持契約を結ぶべき理由 メリット・デメリットを解説

従業員や元従業員による秘密情報や顧客の個人情報が漏洩したというニュースを耳にした方もいるかと思います。

こうした背景もあり従業員と秘密保持契約を締結する必要性が増加しています。

一度情報等が流出するとその回収は困難を極めて困難であるとともに、

関係者に迷惑をかけるだけでなく企業としての危機管理の問題も同時に問われてしまいます。

秘密保持契約は通常の雇用契約書などとは異なり複雑な内容が多いです。

今回は、従業員との秘密保持契約を締結する必要性やメリット、

秘密保持契約書作成時の注意点などについて説明します。

秘密保持契約とは?

秘密保持契約とは、自社がもつ秘密情報を他社に開示する場合、

その情報を秘密に保持してもらうために締結する契約のことです。

これは企業だけではなく自社の従業員にも必要となる場合があります。

例えば新製品の開発販売を行う場合は、業務上の秘密や個人情報等が必ず発生します。

その際に従業員に秘密情報の管理義務を負わせることで、

秘密情報や個人情報が不当な流出防止することが可能です。

なぜ社員と秘密保持契約を交わすべきなのか?

なぜ社員と秘密保持契約を結ぶ必要があるのでしょうか?

2つの理由を説明していきます。

情報漏洩対策として必要

秘密保持契約は、従業員が意図的に重要な秘密情報や顧客情報の漏洩を防ぐのに重要な要素の1つです。

従業員の部署や役職によって扱う情報のレベルなどは異なるため、

定める範囲について決めるのは難しいですが、

多くの従業員は何かしらの形でその企業だけの技術やノウハウだけでなく莫大な量の個人情報を扱っていることが多いです。

その際、従業員が技術やノウハウを不正に外部に流失させたり、

個人情報を持ち出して業社に売却するだけでなく私用な目的で使用する可能性も十分あります。

また、会社に対して不信感を持つ従業員が悪意を持って会社の秘密情報を

インターネット上に流出させたというケースも過去に起きています。

万が一このような不正行為が起きてしまった時は企業の存続にも関わるため、

会社と従業員とで秘密保持契約を締結し、会社の秘密情報や個人情報等を外部に漏洩しないよう防止・抑止する必要があります。

退職時の同業他社への転職対策

秘密保持契約は、従業員が退職後に競業避止義務を課することにより

競合他社に転職した元従業員による情報漏洩を防止するのにも効果があります。

従業員が在職中の場合には、競業避止義務を負わせることが可能です。

しかし、退職後は原則として競業避止義務とは関係なく自由に転職できます。

もし退職した従業員が秘密情報を転職先である競合他社で不正に利用することがあれば、

自社にとって利益を失うだけでなく会社としての評価も下がることとも十分考えられます。

秘密保持契約を結ぶメリット

仮に社内情報(顧客情報、営業秘密など)が流出した場合、回収はほぼ不可能です。

そのため、情報の開示を受ける者に日頃から厳しい情報管理を求めなければなりません。

会社側と従業員側で秘密保持契約を結ぶことで従業員が情報管理を厳しく行うよう仕向けることができます。

それにも関わらず従業員が社内情報を流出させた場合は、

契約違反として損害賠償を請求することができます。

しかしながら、損害賠償額の金額やそもそも漏らした情報が秘密情報か否かの判断は、

裁判での争いとなるため違法性を立証するのは難しいということも理解しておく必要があります。

近年、不正競争防止法により社内情報を故意に立証の壁は徐々に低くなりつつあります。

もし「営業秘密」の要件に当てはまる場合は損害額が予想されるため、

裁判においても有利に進めることが可能になります。

漏洩した情報が営業秘密に該当するかどうかの判断は、秘密保持契約の有無、その内容は司法判断になります。

このように秘密保持契約は不正競争防止法の観点から見ても

損害賠償を求めることのハードルが下がるというメリットもあります。

秘密保持契約を結ぶ際の注意点

秘密保持契約を結ぶ際にはどういう注意点があるのかを説明していきます。

目的が明確であるか確認

まずは、目的を明確にする必要があります。

この定義が不明確だと線引きも曖昧になり、どこからが目的外使用となるかがわかりません。

そうするのを防ぐためにも、目的を明確に定義することが大切となります。

契約書の冒頭部分にきちんと目的を明確に記載します。

契約終了後の情報の取り扱い

契約期間が終了した場合情報の受け手は情報を返還もしくは破棄しなければなりません。

情報の提供はデータで行っていることが多いため簡単にコピーが出来ます

そのため提供を受けた情報はコピーも含め破棄や消去したという書面を提出させる必要があります。

このような返還証明を書面で取り交わすことで、後々「返した」・「返さない」といったトラブルを回避できます。

期間等に注意する

秘密保持契約の期間にも注意が必要です。

一般的には秘密情報の提供を必要とした取引関係だけでなく、

その後数年間は秘密保持義務が存続するように規定しています。

秘密保持義務が取引終了後何年間存続するかは、情報の内容などによって大きく変わります。

例えば日々技術が最新のものになっていくような分野の場合は、

年数が経つにつれて情報の価値の低下は免れませんので期間は短くなる場合が多いです。

また「永久に情報を漏らしてはならない」などと定めると情報の開示を受ける側の義務が大きくなりすぎてしまい、契約が無効になりかねません。

当事者同士でしっかりと話し合い適切な期間を設定しましょう。

ひな形を使う場合は注意が必要

通常、契約書を作成する場合はひな形や規定例を用いることが多いと思います。

インターネット上にはたくさんの雛形が存在し、気軽にダウンロードし該当部分を変更して使う会社は多いことでしょう。

しかし、秘密保持契約の場合は危険性が高いです。先ほど説明したもののほかにも数多くの規定を個別に定める必要が生じます。それらを深く考えずにひな形を用いると、せっかくの守るべき情報を守れなくなる可能性が発生します。

秘密保持契約を締結する際には、ひな形を利用する場合であっても、そっくりそのまま使用するのではなく、それぞれの内容を確認し本当にこの内容で権利は守られるかなどの慎重な作業が必要となります。

まとめ

今回は秘密保持契約についてまとめました。秘密保持契約は通常の契約書と違い注意すべき点が多くあります。

これまでに培った自社の秘密情報や個人情報を社外に流出させないために必要な契約です。

近年はSNSなどの普及により社内情報の流出が頻発しています。

この機会に秘密保持契約について見直すのもよいかもしれません。

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