ホワイト企業やブラック企業という言葉は広く浸透しています。
就職・転職活動中の方は、できるだけホワイト企業に勤めたいという方も多いはずです。
とはいえ、ホワイト企業やブラック企業が具体的にどのような企業を指すのかと言われると、
すんなり答えられない方もいるのではないでしょうか?
本記事でホワイト企業やブラック企業について解説しています。
就職・転職活動中の方はもちろん、自社を客観的に見てホワイト企業にしていきたいという企業担当者の方も是非参考にしてください。
目次
ホワイト企業、ブラック企業とは?
ホワイト企業とは、従業員が働きやすい環境が整っている企業といえます。
給与面や福利厚生、その他様々な面が判断材料となります。
ホワイト企業と反対に長時間労働やサービス残業、無給休日出勤などが横行し、
働く環境が悪い企業をブラック企業と呼びます。
ホワイト企業の特徴
働きやすい労働環境が整っているホワイト企業ですが、その具体的な特徴を解説していきます。
離職率が低く、勤続年数が長い
ホワイト企業の特徴として、離職率の低さや勤続年数の長さが挙げられます。
労働環境が良く働きやすい会社を辞める人は一般的に少数です。
また上記のような会社に勤める社員は長く働きたいと思うものです。
気になる企業の離職率や勤続年数について企業のコーポレートサイトに掲載されている場合もあります。
給与が高く、福利厚生が充実している
給与が高く、福利厚生が充実しているという点もホワイト企業の特徴です。
給与が高いほど生活が豊かになるのはもちろんですが、
企業として稼いだ利益を従業員に対して適正に還元しているともいえます。
給与の高さは従業員がずっと安心して働けることにも繋がります。
福利厚生とは、給与面以外に従業員へ与えられる様々な環境です。
家賃補助や家族手当といったお金にまつわるものや、
社員食堂、健康診断、仕事着、各種企業との提携サービスなどが例として挙げられます。
福利厚生の充実により金銭的に助かったり、働く意欲が増したりする効果が見込めます。
ワークライフバランスが取れている
働き方改革の名のもとに、ワークライフバランスが注目されています。
ホワイト企業ではワークライフバランスを適正に取るために、
残業が少ないよう業務調整がなされたり、
育児・介護含め休暇が取りやすかったりと様々な取り組みがなされています。
仕組みだけでなく休暇が取りやすい雰囲気づくりも大切となります。
筆者が現在勤務する企業では年間休日が125日ほどあり、さらに追加で有給が毎年20日付与されるため充実した余暇を過ごしています。
有給については上司が積極的に消化を勧めてきておりライフワークバランスが整っているとしばしば感じています。
コンプライアンス遵守の意識が高い
コンプライアンスを遵守する意識が高いかどうかも重要です。
コンプライアンス遵守は社会的な信用を得るためにも必要ですが、
従業員が安心して働けることに繋がります。
ホワイト企業では経営層はもちろん、
従業員一人一人のコンプライアンスに対する意識を高める取り組みが行われています。
女性が働きやすい環境が整っている
女性が働きやすい環境が整っていることもホワイト企業の特徴です。
まだまだ企業によっては産休や育休に否定的な所もあります。
ホワイト企業では産前産後休暇や育児休暇はもちろん、
出世の男女格差がなかったり、女性の役員や役職者が多かったりします。
ブラック企業の特徴
ホワイト企業の反対と位置づけられるブラック企業ですが、具体的な特徴について解説していきます。
離職率が高く、勤続年数が短い
通常正社員として就職した場合、ある程度は長く働きたいと考える人が多いでしょう。
しかし、ブラック企業は労働環境が劣悪であるため離職率が高く、勤続年数が短い傾向にあります。
ブラック企業では人がすぐ辞めるため常に求人を出していたり、
明らかに若い社員の比率が通常よりも高かったりします。
長時間労働で、休日が少ない
ブラック企業によくみられる特徴として、長時間労働と少ない休日が挙げられます。
一般的な残業時間はだいたい月に20~40時間程度です。
しかしブラック企業の場合は100時間以上が数カ月間継続して行われることも珍しくありません。
また、休日が少ない場合もあります。
通常、年間休日は120日前後ですが、ブラック企業では80日程度もしくはそれ以下という企業もあります。
たとえ休日でも24時間稼働の生産現場から常に電話がかかってきたり、
営業職でいつも企業から問い合わせが来たりする場合もあります。
このようにブラック企業では仕事から離れられる時間が極端に少なく、
それにより精神的に追い込まれたり家庭環境に影響を及ぼしたりすることもあります。
サービス残業が当たり前になっている
残業が多くてもその分給料に反映されればまだましかもしれません。
しかし、ブラック企業ではサービス残業が当たり前になっている場合があります。
そもそも支払うべき残業代が支払われないのは法令違反です。
ハラスメントが頻発している
ブラック企業では、パワハラ、モラハラ、セクハラなどのハラスメントが頻発している場合があります。
一昔前とは異なり、近年ハラスメントは断じて許される行為ではないというのが一般的な認識ですが、いまだに存在している企業はブラックであるといえるでしょう。
ホワイト企業であればハラスメントを受けた際の相談窓口が設置されている場合が多いですが、
ブラック企業は相談することもできずに一人悩んでしまう傾向もみられます。
労働組合がない
ブラック企業では多くの場合労働組合がありません。
労働組合とは、労働者側が自ら会社と労働環境やその他企業に関わる事柄について
交渉できる組織です。
仮に長時間労働やハラスメントなどの問題点があった場合、
労働組合を通じて会社と交渉し、改善を訴えることができます。
ブラック企業では労働組合が無く、苦しむ労働者を救う機会が極端に少ないこともあります。
ホワイト・ブラック企業の見分け方
ホワイト企業かブラック企業かは入社しないと正確には判断がつきづらいところです。
とはいえ、ある程度の見分け方はありますので、いくつか解説していきます。
公的な認定を受けているか
厚生労働省や経済産業省では、ホワイト企業に対して特定の認定制度を設けています。
例えば、安全衛生に関して積極的な取り組みをしている企業に対しての「安全衛生優良企業公表制度」があります。」
参考:厚生労働省 安全衛生優良企業公表制度について
子育て支援を充実している企業に対して「くるみん」マークが付与されているかどうかも1つの基準といえるでしょう。
参考:厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
女性の活躍を推進している企業に対しての「えるぼし」などが挙げられます。
「えるぼし認定」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、「女性活躍推進法」)に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度です。
常に求人が出されていないか
ブラック企業では、人を採用してもすぐに辞めてしまうため、
補充するために常に求人が出されていることがあります。
いつみても求人が出されている場合、よほど事業が好調で拡大傾向でなければ労働環境を確認した方がよいかもしれません。
就職・転職エージェントを利用する
自分ではなかなか判断できない場合も多いので、
就職・転職エージェントを利用するのも一つの手段です。
エージェントは多くの企業の実態を把握しており、転職活動に迷う場合はエージェントに登録してアドバイスをもらってもよいでしょう。
まとめ
就職や転職をする際には企業研究をしっかりと行い、
できるだけブラック企業を避けてホワイト企業に入社できるようにしたいものです。
企業からするとブラック企業の特徴を持っている場合は、優秀な人材が確保できずに長期的には経営が悪化する危険があるので、すぐに改善する必要があります。
求職者は給与だけでなく労働環境や制度をよく確認し、同時に企業側は自社を改めて見つめ直し、必要な体制を整えるようにしていきましょう。
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