2022年2月15日更新
中小企業の経営者が「退職金」という言葉を聞いて思いうかべることって何でしょう?
「大企業の話で、うちにはあまり関係ない」
「いろいろ面倒」
「保険や中退共で少しは退職金を準備している」
このような感想をお持ちではないでしょうか。
そもそも退職金の仕組み、種類、メリット・デメリットについて社長自身があまり知らない・・・という声も聞きます。
そこでこの記事では退職金制度の全容とメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
また、退職金は決して大企業だけのものではなく、中小企業こそ整備したほうがメリットが多数あるのです。
中小企業にとって導入しやすい退職金制度や、退職金制度の代わりとなるサービスについても解説します。
目次
一般的な退職金制度とは
退職金制度をかんたんに説明すると、「従業員の老後資産づくりを会社が支援する」制度であるといえます。そのため退職金制度は福利厚生の側面があります。退職金制度の設置は任意のため退職金が出ない会社もあります。
退職金の受け取り方法には2種類あり、それぞれ呼び方が違いますが退職金制度という大枠では同じです。
1.退職一時金制度
一括で退職金を受け取る方法です。退職所得控除の対象となり、税制優遇されています。一般的に一括で退職金を受け取るケースが多いでしょう。
2.退職年金制度
年金のように分割して退職金を受け取る制度です。受け取る退職金は雑所得扱いとなり公的年金と合算して公的年金等控除を受けられます。
退職金制度のメリット デメリット
会社が退職金制度を導入したり、退職金制度を充実させるメリットやデメリットについて解説します。
会社側の立場での解説となります。
退職金制度のメリット
- 福利厚生の充実
退職金制度の設置は任意のため、制度のある会社と無い会社では社員の待遇面に大きな差が出ます。大企業では退職金制度が整備されていることが多いですが、中小企業や小規模企業では退職金制度が未整備であったり、制度はあっても実際にもらえる退職金額がわずかであることが多いです。
そのため中小・小規模企業では退職金制度を整備することで同規模の他社と比較して福利厚生の充実を謳うことができます。
- 求人広告の反響UP、優秀な人材の採用
新卒、転職どちらにおいても求職者が重視するポイントとして福利厚生制度などの待遇面が上位にランクインします。優秀な人材を確保するには退職金制度を整備することが大切です。
- 定着率UP、離職率を下げる
老後資産づくりの道筋が整備されているため、退職金制度がある会社の社員は安心して長く働けます。
既存社員の定着率が向上します。
- 人材の新規採用コストや育成コストの削減につながります。
従業員の定着率が上がると、人不足に陥りにくくなります。新規採用をする必要がなくなったり、新規採用する人員を減らすことができます。結果として採用・育成コストを削減することができます。
- 社員の不法・不良行為の抑制
社員が犯罪行為を犯し、懲戒解雇となった場合において退職金の支給が減額または、ゼロになるケースがあります。退職金制度があることで社員の不法・不良行為をさせないという、抑制効果があります。
退職金制度のデメリット
- 支給が義務のため資金繰りの悪化
退職金は社内の規定で定められている場合は、経営が苦しくても全額支払う必要があります。
「景気が悪いから十分に払えない」「払おうと思ってたが、払えなくなった」ということになれば、退職する従業員が労働基準監督署に相談すれば、退職金を即、支払うよう」指導が入ります。
また、会社の業績が良い時に退職する人と、業績が悪い時に退職する人ではもらえる退職金に差がでるため不公平感が強くなります。
- 制度が不明朗なことで逆にモチベーション低下を招く
退職金制度があっても「会社にどれだけ貢献すれば、何年勤務すれば、いくらもらえるのか」ということが明確になっていないと従業員の勤労意欲を低下させてしまいます。逆に、「会社にどれだけ貢献すれば、何年勤務すれば、いくらもらえるのか」という点が分かりやすい場合は従業員のモチベーションUPにつながります。
つまり退職金の支給額が、
・社長の気分
・景気の良し悪し
・お気に入りの社員かどうか、
などでコロコロ変わるようでは退職金制度があることが逆にマイナスに働いてしまい、社員のやる気を削ぐことになります。
【番外編】前払い退職金
前払い退職金はあらかじめ退職金分を給料に上乗せして毎月支給します。
そのため会社側としては
- 「給与水準を高くみせることができる」ため人材採用時に有利
- 退職給付引当金の積み立て不要
といったメリットがあります。
従業員の立場としても、転職が当たり前となった現代ではメリットが大きいといえます。5年~10年以下の勤続年数でもそれなりの退職金額を受け取ることができます。
他方で会社側のデメリットとしては社保負担が増える、高くなるということが挙げられます。
ほかの退職金制度の種類(代替制度含む)
養老保険
会社が契約者、そして従業員を被保険者にした養老保険が保険を活用した退職金制度の代わりとして一般的です。掛け金の半分が損金として計上できます。退職金制度というよりも節税目的で利用している会社が多いです。
◆養老保険を退職金制度とするメリット
- 掛け金の半分が経費として落とせる
- 従業員の背任行為や不義理行為などを理由に支給する退職金を経営者が調整できる
◆養老保険を退職金制度とするデメリット
退職金制度というより会社の節税策として利用されることが多いため従業員の立場では、
- 自分が何年勤めると、
- いくら退職金がもらえるのか?
- 会社にどの程度貢献すれば、
- どれくらいの退職金がもらえるのか?
といったことが不明瞭であるため福利厚生としての効果はあまり期待できません。
中退共(中小企業退職金共済)
中退共は中小企業の退職金制度としては一般的です。
◆中退共のメリット
- 掛け金が全額損金として計上可能
- 事業主の掛け金を国が助成してくれる
国の助成の一例を紹介すると、加入後4ヶ月以降から1年間、月額掛け金の半分を国が負担してくれます(従業員一人あたり月額5000円の助成が上限)
◆中退共のデメリット
- 社長自身は加入できない
- 昨今の超低金利により運用利回りが低い
- 掛け始めて1年間以内に従業員が退職すると、退職金は支払われません。つまり掛け捨てです。
- 掛け金の減額が困難(従業員からの同意が必要)
- 掛け金以上に増えることがほぼ無理
一応・・・中退共は制度全体で予定運用利回りを1%程度に定めています。
参考:中小企業退職金共済事業本部より
ただ中退共において1%の利回りがつくのはおよそ6年半後です。80ヶ月目以降から1%程度の利回りになりますが、80ヶ月未満ではほぼ金利はつかないという制度設計となっています。
運用資産の大半が円建て債券となっており足元超低金利の影響を受けています。
また、従業員の立場では会社が中退共に加入しているということを知らない場合が多く、会社(社長)は従業員のために掛け金を支払っているのにも関わらず、その事実が周知されず社員から全く感謝されないという弊害もあります。
企業型DC(企業型確定拠出年金)
企業型確定拠出年金制度(以下、企業型DC)とは会社が掛け金を毎月積み立て、従業員が退職金や年金の運用を自ら行う企業年金制度です。企業型DCとも呼ばれ日本では2001年に作られた国の制度です(確定拠出年金法)。当時すでにアメリカで成功した制度を真似て、日本に取り入れられました。
◆企業型DCのメリット
- 掛け金が非課税
- 個人の所得税、住民税、社会保険料が安くなるケースが多い
- 会社負担の社保を削減可能
- 掛け金が全額損金となる(運用プランにより若干異なる)
- 運用が非課税
- 受取時も税制優遇
- 運用で将来もらえる退職金を増やせる可能性が高い
◆企業型DCのデメリット
- 原則60才まで引き出すことができない
- 原則として拠出の停止ができない(掛け金の最低月額3,000円)
- 個人の社保負担が軽減できる反面、将来うけとる厚生年金が減る可能性がある
企業型DCの制度内容、メリット・デメリット、加入方法などについて網羅的にわかりやすく解説した記事がございます。よろしければお読みください。
【網羅】企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の解説
退職金額の相場、平均
大企業の退職金相場 平均
◆従業員数1000名以上の企業における退職一時金(勤続20年以上)
大卒:2489万円
高卒:2715万円
参考:厚生労働省 退職給付(一時金・年金)の支給実態 退職給付(一時金・年金)制度の形態別退職者1人平均退職給付額
(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者))
中小企業の退職金相場 平均
◆従業員数300人以上~999人までの企業における退職一時金(勤続20年以上)
大卒:1603万円
高卒:1212万円
◆従業員数100人以上-299人までの企業における退職一時金(勤続20年以上)
大卒:1279万円
高卒:775万円
◆従業員数30人以上~99人までの企業における退職一時金(勤続20年以上)
大卒:1277万円
高卒:904万円
参考:厚生労働省 退職給付(一時金・年金)の支給実態 退職給付(一時金・年金)制度の形態別退職者1人平均退職給付額
(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者))
こんなに退職金ってもらえるの・・・?と感じるかもしれません。
上記金額はあくまでも制度が整っている会社という前提です。
また、退職金は勤続年数が30年を超えてから一気に増える傾向にあります。
勤続25年以下でやめるともらえる退職金額は半分以下となることがほとんどです。
厚労省の資料を見ると社員数1000人以上の規模の会社でも勤続20-24年で退職した場合の一時金(退職金は)945万円ほどになり、大企業の退職金平均である2000万円超を大きく下回ります。
同様に社員数99人以下の会社で勤続20-24年で退職した場合の一時金は774万円となります。
昨今、転職・キャリアチェンジが当たり前の世の中になっており1つの会社に定年まで勤め上げるということは少なくなっています。
統計データのように十分な退職金を貰える人は非常に少ないといえるでしょう。
中小・小規模企業の退職金額、実際のところは?
前述のデータをみると、中小・小規模企業の退職金は勤続20年以上で大卒で1277万円、高卒で904万円です。しかし、実際はもっと少ないことが予測されます。というのも、そもそも中小・小規模企業には退職金制度がない、あるいはあっても数十万円程度であったり僅かなような金額しか支給されないというケースが多いのです。
中退共の一人あたりの退職金支給額
中小企業で最も活用されている中退共の令和2年における一時金(退職金)の支給状況を見てみると、
神奈川県で一人あたり1,307,328円ほどの金額です。勤続年数20年以上の人もいれば転職による5年ほどで仕事を辞める人も含まれているため、平均すると非常に僅かな退職金です。
参考:中退共年次統計表令和2年
実際のところ中小企業で40年間働いて、もらえる退職金額はいくら?
中退共の平均月額掛け金は7755円です。
参考:中退共事業概況令和3年9月
仮に40年間、中退共に加入したとして将来もらえる退職金はいくらになるでしょうか?
7755円 × 12ヶ月 × 40年間 = 4,574,608円です(想定利回り1%)
中小企業で1つの会社で定年まで働いたとしても、もらえる退職金はおよそ500万円です。
知人の中小企業勤めの方に協力いただき、退職金はいくらもらえるか?とヒアリングしたところ、500万円=多くて700万円ぐらい、という回答をされる方がほとんどでした。
実際の中小・小規模企業の退職金のボリュームは500万円前後(勤続35年)というのが実際の退職金相場です。
退職金が無い会社、少ない会社はやばい?
退職金・企業年金制度がない会社の割合はどれほどでしょうか?
退職金が無い会社はどれくらい?
厚労省の調査に応じた企業からのデータによると「退職給付(一時金・年金)制度がある企業数割合は、83.9%」となっています。
つまり退職金がない会社の割合は16.1%です。
参考:厚生労働省退職給付(一時金・年金)制度の有無
◆【参考】中小・小規模企業の数とそこで働く従業員数
国内の企業等数は385万6457となっています。そのうちの87%が中小・小規模事業者です(※平成28年6月1日時点)。国内の労働者のうち68%が中小企業・小規模事業に従事しています。
参考:総務省統計局
退職金は一応あるが、支給額が少ない会社
退職金制度がある会社は国内企業のうち83%と、多いようですが、実態として退職金額が非常に少なかったり、制度事態が形骸化している場合が多くあります。
特に中小企業の退職金額は大企業と比べると半分以下、1/3程度となっていることは前述の通りです。
【番外編】大企業からの転職組ほど福利厚生を見る
特に大企業からの転職組ほど給与だけでなく福利厚生・休みなどをチェックします。
目先の給料だけでなく、
- 長時間労働・休日出勤が恒常化していかなか、
- また福利厚生が整備されてるか、
このあたりが整わないと長く働ける会社ではないと、転職者に判断されます。
優秀な社員を確保し定着させるためには給与の多さだけでなく、福利厚生制度の充実を図ることが大切です。
優秀な人材がベンチャー企業にあえて転職する理由
能力や実績が優秀なビジネスマンが転職先に中小ベンチャーを選ぶことがあります。彼らは給与・福利厚生が大手と比較して格段に劣る中小ベンチャーになぜ転職するのでしょうか?
優秀な人材が待遇面で劣る中小ベンチャーに集まる理由
給料や福利厚生が決して良いわけではないのに、なぜ優秀な人材が小さな会社に転職するケースがあるのでしょうか?
・社長のカリスマ性に人が集まる
・将来の旨味を期待して小さい会社に転職
転職理由は大きく分けて上記2つになります。
ストック・オプションで大儲け
例えば5年後に上場を目指している会社に転職することで社員はストック・オプションとして自社株をもらうことができる場合があります。。勤める会社が実際に上場すれば自社株が10倍~50倍になって大儲けできる、なんてことはザラにあるのです。
たった100万円の自社株が上場することで3000万円に大化けするなんてことは良くある話です。
重役を狙う
また成長企業の創業期に入っておいて将来、役員や部長などの重要ポストを取りたいと考えている人もいるでしょう。このように給与・福利厚生面で明らかに劣るベンチャー企業に優秀な人が集まる理由は
ストックオプションや重役ポストにつくことで、将来回収できる算段があるからです。
熱量にほだされる
カリスマ性のある経営者って本当にいるんです。カリスマ社長と一緒にいるだけで社員はやる気が爆発的に上がったり、休みなく会社のために猛烈に働けたりするんです。
会社の急激な成長を肌身で感じられる魅力、
ゼロから会社を作り上げていく、その初期メンバーになれる楽しさ
カリスマ経営者の下で働くと待遇面は関係ないと思えるぐらいの魅力があるため、優秀な人が集まることがあります。
カリスマ社長は必要ない!会社の成長に必要な仕組みとは?
社長のカリスマ性により会社が急成長することは悪いことではありません。
一方でデメリットを考えてみましょう。
従業員の立場では、景気の浮き沈みや社長の手腕に自分や家族の将来を委ねることにほかなりません。
- 社長の健康
- 〇〇ショックなどの予測できない経済クラッシュ
- 社長の事業予測、読み間違え
などにより経営が傾けば、社長の力だけに依存した会社を立て直すことは不可能です。
魅力的なビジョンや社長のカリスマ性で社員を惹きつけるよりも、
- 優秀な社員が長く会社に貢献する
- 優秀な転職組を採用できる
- 既存社員のやる気を上げる
こういった仕組みを作るほうが会社組織としては強くなります。
誰もが陥るリスク「高齢者貧困」
老後、経済的に困窮することを高齢者貧困といいます。高齢者貧困に陥る原因は主に下記3点に集約されます。
- 在職中の貯蓄額が少ない
- 退職金額が少ない
- 定年退職後も現役時代と同じお金の使い方をしてしまう
退職金の目的は従業員の老後資産づくりを会社が支援することです。
しかし中小企業では退職金がまったくない、あるいは4~500万円程度の規模が多く、従業員が老後の生活を送るのに十分な金額とは言えません。
定年退職後の老後生活に一体どれくらいのお金が必要になるでしょうか?
生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人の老後生活に最低限必要な生活費の平均は22.1万円(月額)です。※調査による中央値は」20~25万円未満」が、29.4%と最多
また趣味や旅行などの交際費を上乗せした「ゆとりある老後生活」に必要な生活費は月額平均36.1万円です。
参考:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度
上記データを見ると、定年退職するまでに十分な貯蓄がなかったり、退職金が少なかったり、退職後の生活レベルを下げられないと誰もが高齢者貧困に陥るリスクがあるのです。
給与や退職金の多い大企業に勤める人よりも中小・小規模企業に勤める人のほうが、高齢者貧困になるリスクは高まります。
運用で老後資産をつくる方法
退職金が無い人、あっても少ない人はどのような対策をすべきでしょうか?
投資・資産運用で将来に向けて計画的に貯蓄・運用をしていくことが大切です。
投資といっても大金は必要ありません。
毎月、5千円~3万円でOKですから積み立て投資を始めるといいでしょう。積立NISAやiDeCoなど国民の資産形成を助ける制度を国が作っています。まずは少額で構わないのでコツコツ始めましょう。
また積立投資をするならば前述の企業型DCがとてもお得です。
- 運用益が非課税
- 個人の税金が安くなる
- 会社の社保負担も削減できる
- 退職金制度になる
- 掛け金が少なくても運用で増やすことが期待できる
- 会社の掛け金負担なく制度導入できる
企業型DCを活用すれば、潤沢な掛け金が準備できない中小企業でも十分な退職金額を社員のために準備できます。
参考:【網羅】企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の解説
退職金制度の見直し方法
中小企業では保険や中退共でひとまず退職金制度の形だけは整えているという会社は多いのではないでしょうか。悪いことではないのですが節税が目的となっている場合が多く、実際の退職金原資が非常に少ないため退職金制度として機能していません。
そこで保険や中退共を利用しつつ、追加コストを増やさずに既存の退職金制度を見直し・充実させる方法を紹介します。
中退共や保険で退職金を準備している場合
中小企業で最も多いのが養老保険を退職金制度の代わりにしているケースです。こちらは節税を行いながら退職金を確保できるので一石二鳥といえます。
しかし、デメリットとしては退職金原資が少ないということが多いです。筆者の見てきた事例では、従業員一人あたり退職金原資が400~500万円ほどになるように保険を設計していることが多いようです。
従業員の立場では退職金がゼロよりかは、あったほうが良いのですが、400万円~500万円ほどでは老後生活に不十分です。
また保険の場合、実際に社員に支払う退職金額を社長が自由に決められます。経営者からするとお荷物社員に退職金をたくさん支払うのは気が進まないことでしょう。
しかし、従業員の立場では「会社は退職金っぽいことをやってくれてはいるけど、正直、いつもらえるのか?どれくらいもらえるのか分からない」という不安定な心理状況に陥ります。
社内のエース社員でさえ「何年働けば、いくらくらい退職金がもらえるのか?」ということすら分かりません。
中退共を利用しているケースでは、勤続40年でもおよそ400万円~500万円ほどの退職金にしかなりません。
つまり保険や中退共をすでに活用していたとしても退職金原資が十分に確保できていない事が多いのです。
既存の保険契約や中退共はそのままで、企業型DCを補完的に導入すれば退職金額の底上げを図ることができます。
中小企業の退職金制度なら企業型DCがオススメ
企業型DCとは?
企業型DC(確定拠出年金)とは会社が掛け金を毎月積み立て、従業員が退職金や年金の運用を自ら行う企業年金制度です。日本では2001年に作られた国の制度です(確定拠出年金法)。当時すでにアメリカで成功した制度を真似て、日本に取り入れられました。
つまり国が推奨する企業年金・退職金制度です。
企業型DCの全容については「企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の解説」をぜひお読み下さい。
企業型DCは人材定着率UPに役立つだけでなく、様々なメリットがあります。
- 人件費削減
- 求人反応UP
- 優秀な人材の確保
- 社員のモチベーションUP
- 初期コスト・ランニングコストが軽微(節税効果でコストはカバーできてしまうことも)
「退職金制度や福利厚生制度っていうと会社の固定費が増えてしまうんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、導入プランにより会社負担の掛け金なしで制度を導入することができます。
退職金制度がない会社にオススメ!
企業型DCとは簡単にいうと、
- 社内に退職金制度を作ることでき、
- 従業員の給料から退職金を積み立てるので会社負担は小さく、
- 積み立て投資によって退職金を増やすことが期待でき
- 社員が払う所得税や住民税、社会保険料も減らすことができ
- 社長個人の税金(所得税、住民税、社保)も減り
- 社会保険料の会社負担分も減り
- 社内の福利厚生制度が充実するので
- 優秀な人材を採用しやすくなり
- 今いる既存社員の定着率も良くなり
- 銀行に貯金するよりも有利に増やせて
- 会社の資金繰りも良くなる
こういう制度です。
つまりこの制度を利用すれば会社も経営者も従業員も、三者すべてが恩恵を受けることができます。
退職金制度の導入を検討している会社はまず、企業型DCをご検討ください!
保険や中退共を利用している会社におすすめ!
企業型DCは退職金制度が全くない会社だけでなく、
- 保険で退職金制度の代わりにしている会社
- 中退共を利用している会社
このような企業にもおすすめの制度です。
既存の保険・中退共などでは十分な退職金原資を確保できていない場合、
既存の制度をそのまま利用しつつ、さらに退職金原資を補完するために企業型DCは役に立ちます。
軽微な費用で導入可能
企業型DCの節税効果により導入費用やランニングコストを相殺できてしまうケースが多く、会社の固定費を増やさずに福利厚生制度(退職金制度)を充実させることができます。
- デメリットは何があるの?
- 社長個人も加入できるの?
- 社員2,3名だけど加入できるの?
- 税制の仕組みをもっと知りたい
などの詳細については下記記事をぜひお読みください。企業型DCの全容を分かりやすく解説しています。
【網羅】企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の解説
【執筆者】杉山綜合財務管理株式会社 杉山広
(AFP、IFA、確定拠出年金教育支援協会公認コンサルタント)
当社、杉山綜合財務管理株式会社について(導入に迷われたらご相談ください)
当社はSBIベネフィットシステムズと業務提携し企業型DC「SBIみらい年金プラン」の導入および保守をしています。導入前から導入後まで徹底してサポートを行います。
福利厚生制度の導入を検討している会社は「事務負担が増えないだろうか・・・」、
このように懸念されていると思います。しかしご安心ください。
制度導入にあたって下記業務について当社にお任せ下さい。
- 導入前のプラン選び
- 導入前後の事務負担
- 継続投資教育(年1回~2回)
- 加入者個人のライフプランニング
- 従業員の採用・退職、掛け金の変更などの事務
これら、企業型DCに関連する事務サポートから継続投資教育まで一貫して行います。つまり丸投げしてOKということです。
安心して企業型DCを活用いただけます。
資産コンサルティングのプロが担当します
企業型DCは毎月の掛け金を投資信託で積み立てるので、「資産運用しながら年金(退職金)を積立てていく」という特徴が挙げられます。加入者(役員、従業員)みずから投資・資産運用をするという点が重要なポイントです。
資産運用、投資というと苦手意識を持つ方が多く、
- そもそも資産運用なんかしたことない
- 投資って怖い、胡散臭い
- イイ制度なのは分かったけど何から始めればいいのか・・・
- 積み立てる投資信託の選び方が分からない
- 毎月、いくら掛ければいいか分からない
- 投資信託の配分をどうしたらいいだろうか
- 自分に合った商品が分からない
このような不安やお悩みを持っている人が大半です。
代表の杉山は長年、証券会社で多数の実績を積んでまいりました。これまでに1000人超のお客様、60億円を超える資産のコンサルティングを行ってきたことで、お客様の様々なお悩みやお困りごとを解決してきました。
- 投資経験が全くない人
- どう制度を活用すればいいのか
- 自分に合った積み立て商品の選び方
- 毎月いくら積み立てれば老後資産を十分に確保できるか
- 20年間積み立てた場合、いくらになるのか
などなど、いざ企業型DCを活用するときに感じる疑問やお困りごとを当社なら解決することができます。
確定拠出年金制度をご検討の会社、担当者の方がいらしたらぜひご相談ください。
ご相談から導入までの流れ
企業型確定拠出年金についてご相談があれば、一般的には下記のような流れになります。
- 問い合わせ
- 現状の課題、解決したい問題のヒアリング
- 企業型DCの設計案、提示
- 設計案の調整
- 導入
- 導入後の保守および継続投資教育(年1~2回)
※他、各種事務手続きは随時受けつけていますので導入企業の手数を増やしません。
◆打ち合わせは電話や面談、ビデオ会議(Zoom等)、メールなどを利用して行います。
◆その他、ご不明な点などがあれば、まずはお問い合わせいただければ幸いです
ご要望をお気軽にお知らせください
045-352-8942045-352-8942
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